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●MH80との出会い
99年に個人売買でMH80を買ってもう3年目になる。
思い起せば、買った時は大変な年だった。
フレームにはあちこちにクラックが入り、あるべき部品さえ装着されておらず、前オーナーの行った応急処置が逆に悪化の原因になっていた。
ひたすらお金と時間を浪費し、サーキットに練習走行に行ってもタイムすら計れず帰る日々が続いた。
そんな実りない長いトンネルから抜け出せたのは2000年の夏の終わり。 メカニックをお仕事とされているNさんに「時間の空いた時だけ」という条件でマシンのメンテナンスをして頂けることになったのだ! Nさんには大変な労力をいただき、マシンは「正常なMH80」になり、ライディングのアドバイスも手伝ってやっと『レースに参加できるタイム』で走る事が出来てきた。
9月の練習走行に至っては、最終的には転倒するも、ナイスなタイム(いまや幻のベストタイム…しくしく)に気を良くして早速私はTIロードレース選手権シリーズの最終戦にエントリーすることを決めた。
しかし、その後の練習は雨が降ったりでロクなセッティングも出来ずに本番がやってきてしまった。
●レース当日
天候は曇り、コースコンディションはドライ。
慌ただしく始まった予選では11台中8番手。 私は「タイムはまだ出る!本番になれば前に行けるハズ!」と自分に言い聞かせ、少し入れ込み気味に決勝に臨んだ。MH80はS80クラスとの混走で当然S80が前列を占めている。
S80の最後尾のタイムより1秒遅れでMH80のトップがいて、私は7列目のイン側のグリッドに並んだ。
シグナルはブルー!
スタートはまずまず。
S80はすぐに先へ行き、その少し後にMH80はゆるい集団のまま1周し、私もなんとかその中にいた。 2周目、裏のストレートを終え、TIサーキットの名物(?)と言われる左へ曲がりながら下るコーナーに入ったとたん、私は強い衝撃を受け、背中から叩きつけられるように転倒!
背中を強打したため息も出来ず、身動きも取れないままうつ伏せにコース上で転がっていた。
救急車に乗せられ今回のレース終了。
転倒の原因は他車がイン側から私を抜こうとした時、スリップダウンして私を巻き込んだため。 よくある事です。
私は全身打撲の上、右足の親指とろっ骨2本骨折。しかし運良く脊椎パッドが割れて身体へのダメージを最小限に食い止めてくれたようで、換わりにカーボン製の脊椎パッドは、絡んでコケた際、相手マシンのステップが刺さったらしくかなり割れていた。
もしこのパッドが無ければ私はさらに大怪我をしていたハズ。脊椎パッドに感謝!感謝!!
●2001年〜開幕戦〜
怪我が治るのにあまり時間はかからなかった。
1ヶ月間で、御歳暮シーズン真只中の激務に通常通りに戻れるとは自分でも想像しなかった。今回の骨折はメチャ痛かったから。
性懲りも無く、計画通りに開幕戦からエントリー。
しかし今回はサーキットの練習走行枠と休みが合わず、レース前日しか練習走行がとれなかった。
今年は『ランキング3位』が目標なので練習不足は痛い。でもレースに出ない事には始まらない。 そんな大事な前日走行の2枠目でそれは起こった。
コースイン間もなく1コーナーで転倒!右手が痛む。
マシンを起こし何とかエンジンをかけ、ゆっくりピットへ向かうが、また転倒!
マシンのダメージが少ないようなので3枠目の練習走行を始めたが、コースインしてまもなく裏のストレートで臭いにおいがしてすぐエンジンがストップ。
ピットでエンジンを見ると焼き付いている。
1枠目の転倒が原因で、不調だったウォーターポンプが急激に悪化したためだった。
以前から症状がでていたので今回の練習走行終了後にパッキンを交換する予定だったのに。
おかげでメカさんは深夜まで作業に徹し、翌日の車検も時間ギリギリに滑り込み、予選に至ってはエンジンが回らない為、3周だけこなして終わった。
しかし結果は予選落ち。 理由はレギュレーションの規定タイムに達していなかった為。
しかし、嘆願書を大会事務局に提出、受理され何とか決勝を走れる事になった。(特別の計らいでチャンスを下さった事務局の皆様、感謝してます!)
決勝グリッドは最後尾。 第1戦は真冬で寒い為、エントリー台数が極端に少なく、S80を入れても15台。
私は4列目でシグナルはブルー!
1コーナーを抜け、次々とコーナーを抜けていくが、エンジンが回らない為、バックストレートに入った瞬間にあっという間に他のマシンから離されていく。
マシンはちゃんと走ってくれてなんの不満もない。
ただ動かしづらくなった右手の痛みに耐えながら走る不本意なレースしか出来なかった。
しかし、もし予選落ちしたあの時に諦めていたなら、この悔しさを次のレースへの『情熱』へと出来なかっただろう。あっという間にレースは終わり、結果は7台中、1台リタイヤしたため、6位。
ピットに戻り、メカニックと話をしていたら、オフィシャルに呼ばれた。何だろうと話を聞くと、『6位なので表彰台に立って下さい』とのこと! 「ひ〜っ!勘弁して下さいよお〜!」6/6位は不名誉ではないがさすがに辛かった。
お立ち台の6の数字の上に自分が立っている。
深い反省と「次は頑張らなきゃ!」と誓いながら、1、2、3位ライダーのシャンペンシャワーを見ていると、昔、廊下に立たされた頃をふと思わせる表彰式だった。
次回TIロードレース選手権は4月29日です。